スタジオ用モニターヘッドフォン

良いミックスをするためには正確に音をモニタリングする必要があります。
一般的に販売されているリスニング用のヘッドフォンでは低音や高音を強調しているケースが多いです。

純粋に音楽を聴いて楽しむにはリスニング用のヘッドフォンで良いのですが音楽制作に使用するには専用の「スタジオ・モニター・ヘッドフォン」を購入しましょう。

この「スタジオ・モニター・ヘッドフォン」にも所謂「定番」が有ります。
リスニング用のヘッドフォンと比較して、それほど高価ではないので先ずは実際に楽器店などで実際に音を聴いて確認してみて下さい。

AKG K240 STUDIO モニターヘッドフォン

k240 studio monitor headphone

現在、私のメインで使用しているヘッドフォンです。

スペック

■タイプ:ダイナミック・セミオープン型
■用途:リスニング
■インピーダンス:55Ω
■最大入力:200mW
■再生周波数帯域:15~25,000Hz
■感度:91dB/mW
■プラグ形状:3.5㎜ステレオミニプラグ(金メッキ)
■ケーブル長さ:約3.0m、ストレートケーブル(着脱式)
■質量:約240g
■付属品:6.3mm標準ステレオ変換プラグ
■生産国:中国

【長所】

世界の定番モニターヘッドフォン。究極の中庸性であり取り敢えずこれを1セット持っていれば安心。

装着感も非常に軽く疲れない。日本での定番であるSONY MDR-9000STと比較しても高域で耳に刺さることなくモニター出来る。

ケーブルの取り外しが出来るのでお好みのケーブルに交換可能。

比較的安価で購入出来る。

【短所】

音圧感度が91dB/mWと若干低い為に少々出音が小さめ。

【注意点】以前は欧州オーストリア生産であったが時代の流れで現在は中国生産となってしまった。特には音質に極端な変化は感じられません。

k240 studio monitor headphone
Made in Austria
k240 studio monitor headphone
Made in China
https://west-dragon.com/wp-content/uploads/2019/11/funassy.png

取り敢えずこれを買っとけば間違いナッシー?

https://west-dragon.com/wp-content/uploads/2019/11/kumamon.gif

間違いないモン!

SONY MDR-CD900ST モニターヘッドフォン

sony_mdr-cd900st_monitor_headphone

スペック

■タイプ:密閉型
■インピーダンス:63Ω
■感度:106dB/mW
■再生周波数帯域:5~30,000Hz

恐らく国内のスタジオで最もシェアが高いと思われる。日本の定番モニターヘッドフォン。

【長所】

非常に解像度が高く分離性が良い。
ドラムのキックとベースやシンセストリングスとシンセパッドなどの周波数域が被る楽器の聴き分けにとても素晴らしい働きをする。

細かい部分まで聴き取りやすいのでミックスの際に粗探しにとても良い。

装着感を感じさせないほどの軽さ。

補修パーツが豊富に揃っている。

比較的安価で購入出来る。

【短所】

高域が耳に刺さる。特にMesa BoogieやEngl Savageなどのハイゲイン系アンプの高域は耳が痛い。

細かい部分まで聴き取れるが反面、聴き疲れもしやすい。

スペック上では低域は5Hzからとなっているが聴感上は明らかに他メーカーのヘッドフォンよりも低域は出ていない。

分離・解像度は高いが奥行き感はあまり感じられない。

一応「密閉」タイプとなっているが音漏れが大きい。特にコンデンサーマイクを使用したボーカル・レコーディングではモニター音を拾う可能性が高いので注意が必要です。

https://west-dragon.com/wp-content/uploads/2019/11/funassy.png

音域の被った楽器の聴き分けには?

https://west-dragon.com/wp-content/uploads/2019/11/kumamon.gif

SONY MDR-CD900ST が良いモン!

YAMAHA HPH-MT220 モニターヘッドフォン

Yamaha_hph_mt220_monitor_headphone

※ 生産終了品

既に生産終了となり、現在は後継機種としてHPH-MT8が販売されている。
当時はとても市場の高評価を得たモデル。

■モデル:HPH-MT220
■形式:密閉ダイナミック型(ハウジング部:アルミニウム・ABS)
■再生周波数特性:15Hz – 28kHz
■インピーダンス:(1kHz) 37Ω
■最大入力:1,600mW
■出力音圧レベル:(1kHz/1mW) 99dB SPL
■ドライバー :Φ45mm、CCAWボイスコイル
■ケーブル長:1.2m カールコード
■端子:3.5mm ステレオミニプラグ
■質量:(コード、プラグを含む) 415g
■付属品 :6.3mm ステレオ標準プラグ変換アダプター

【長所】

低域が良く出る。
高域が耳に刺さらない。Mesa BoogieやEngl Savageなどのハイゲイン系アンプの高域でも耳が痛くなる事はない。
奥行き感を聴き取りやすい。
密閉力が高くあまり音漏れはしない。

【短所】

とにかく重い。
密閉力が強い反面、装着した際に圧迫感も感じる。
高域で耳に刺さらない反面、少し音が曇った印象。
カールコードタイプ。
イヤーパッド表面の黒のコーティングがボロボロと剥がれてくる。
比較的高価。

https://west-dragon.com/wp-content/uploads/2019/11/funassy.png

奥行き感を聴き取るには?

https://west-dragon.com/wp-content/uploads/2019/11/kumamon.gif

YAMAHA HPH-MT220 (現行型はHPH-MT8)が良いモン!

まとめ

今回は私の使用している3機種のモニターヘッドフォンの実際に使用して来た実感をレビューしました。

今回の3機種で特にお勧め出来るモデルはAKG K240 STUDIOですね。
丁度SONY MDR-CD900STとYAMAHA HPH-MT220の中間の聴感特性を持ち両モデルの良い面を持ち合わせている感じです。

特にモニターヘッドフォンは音楽制作をする上でとても使用頻度が高く大事な機材です。

私の記事が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。