ドラムトリガーとは主にハードロック・ヘヴィーメタル系のドラムに装着する装置のことでドラムを叩いた振動をセンサーで拾い電気信号に変換して音源モジュールへと送信して音源を鳴らす仕組みです。
トリガーを使うことにより生録音に音源モジュールの音を混ぜて「ベチッベチッ」とアタック感を出すことが出来ます。
またキックやスネアなど任意のパートをトリガーしてドラムの音にパーカッションやハンドクラップその他の音を重ねることも出来ます。
今回はこのドラムトリガーをLogic Pro Xで簡単に行う方法をご紹介します。
目次
① Logic Pro Xにドラムパートを用意する。
マイク録りしたドラムパートを用意します。
② トリガーしたいドラムパートを選択する。
トリガーしたいドラムパートを選択する。
※ サイクル録音をして複数のテイクが存在する場合はお気に入りのテイクを一度バウンスして新たにトラックを作成してバウンスしたオーディオファイルを挿入して下さい。複数のテイクが存在したままだとトリガーが出来ません。
③ トラック → ドラムトラックを置き換え/ダブリング を選択。
トラック → ドラムトラックを置き換え/ダブリング を選択。
④ ドラムトラックを置き換え/ダブリング を設定する。
ドラムトラックを置き換え/ダブリング を設定する。
- 「音源」は「キック」、「スネア」、「タム」などからトリガーしたいドラムサウンドを選択します。今回はキックをトリガーするので「音源」に「キック」を選択。
- 「モード」は今回、元の録り音に混ぜたいため「ダブリング」にチェック。※ 完全に元の録り音と差し替えたい場合でも後で元の録り音のトラックをミュートすれば良いだけなので基本的に「ダブリング」を選択すれば良いでしょう。
- 「相対しきい値」はトリガーが反応する音量のしきい値を設定し、ここで設定した値以上の音量をトリガーとして機能させ、MIDI リージョンにノートの形で反映させます。
ドラムをマイク録りした場合にどうしても「被り」が発生するため(キックに立てたマイクの録り音にスネアの音が被るなど。)ここの「相対しきい値」を調整して被りの音にトリガーを反応させないように設定します。 - 「プレビュー」ボタンを押すと、現在選択しているソフトウェア音源で再生されます。ここではオリジナルのドラムトラックと置き換え用 のソフトウェア音源(EXS24)トラックの両方が再生されます。
※ 自動的にLogic Pro X標準サンプラーEXS24のドラム音源がアサインされますが後から所有するお気に入りのドラム音源に挿し替えることが出来ます。 - 「トリガーノート」は「自動」を選択。手動でMIDI トラックのノートの音程を選択することも出来ます。基本的には「自動」を選択で良いでしょう。
⑤ ドラム音源をお気に入りのものに挿し替えする。
ドラム音源をLogic Pro X標準のEXS24からお気に入りのドラム音源に差し替えます。今回はEZ DRUMMER2を挿してみました。
⑥ MIDIリージョンをオーディオファイル化する。
MIDIリージョンをオーディオファイル化する。
MIDIリージョンを選択して「所定の位置にバウンス」を選択。
バウンスが完了後にMIDIリージョントラックを削除します。
⑦ オーディオファイルをモノラル化する。
MIDIリージョンをバウンスしてオーディオファイル化にするとデフォルトでは「ステレオ」トラックとなります。
ドラムトラックの基本はモノラルですので、「ステレオ」トラックを「モノラル」トラックに変更します。
⑧ フェーダーで音量の調整を行う。
元の録り音と後から追加した音源の足し具合をフェーダーで調整します。
後はお好みでエフェクトを掛けたり、BUS送りにしてリバーブやBUSコンプッレサーなどで更に音を作って行きます。
この画像では左側のトラックが元の録り音、右側のトラックが追加した音源です。
完成したトラックをバウンス。
今回の録音は簡易的にマイクはキックに一本、オーバーヘッドに二本の合計三本録りです。
それではトリガーしていないものとトリガーしたものを聴いてみましょう。
なおエフェクトはマスタートラックにリミッターを、オーバーヘッドにテープシュミレーターを挿入した以外は一切何も挿していません。
今回は効果が分かり易くなるように敢えてトリガーした音源の音を多めに混ぜています。
混ぜ具合は自分のお気に入りで調整して下さい。
まとめ
ハードウェアを使ったトリガーは機材の購入費が必要で、設定も経験が必要となります。また録り直しも効きません。
Logic Pro Xでは標準でトリガー機能が付いているのでソフトウェア上でトリガーすることが出来ます。
ドラムの録り音に変化をつけたい場合に是非お試しください。