KAWAI VPC1 MIDI キーボード

特にクラシックやジャズなどのリアルなピアノタッチを求めるプレイヤーにお勧め出来るヴァーチャル・ピアノ・コントローラー(MIDIコントローラー)。

このVPC1自体には音源は含まれていませんのでPCとセットで使用が前提。

また別途ピアノ音源、オーディオインターフェース、スピーカーが必要となります。


キーボード単体で気軽に音を出して演奏・練習したいという人はご注意ください。

kawai vpc1
KAWAI VPC1
kawai vpc1 pedal
ハーフペダルに対応したダンパーペダル
Kawai vpc1 editor
定番ピアノ音源をプリセットしたエディター・ソフトウェア

KAWAI VPC1 の特徴

・普通にピアノの演奏・練習をしたいユーザーは電子ピアノを選択すると思います。 VPC1はPCに接続して音源を立ち上げなければ演奏できません。
従ってDTMをしていて尚且つピアノタッチで演奏をしたいニッチな層を対象とした製品となります。KAWAIはよく製品化したと思います。

・MIDIコントローラーキーボードなのにモジュレーションホイールやピッチベンドスティック、エクスパンションペダル接続口、ボリュームペダル接続口が一切無いピアノ演奏に特化した割り切った仕様。

・リアルタッチの木製鍵盤RM3グランドIIを搭載。

・VPCエディターソフトウェアを使って、タッチカーブの編集、88鍵各鍵のベロシティ調整、MIDIルーティング等の設定ができます。更にIvoryⅡ、Pianoteq、Alicia’s Keysなど定番音源のベロシティーカーブがプリセット。

3本構成のグランドピアノと同じペダル。ダンパーペダルはハーフペダルに対応。

使用しての感想

【長所】
・実際のグランドピアノと殆ど変わらないタッチ。
・黒鍵まで木製鍵盤。
・IvoryⅡ、Pianoteq、Alicia’s Keysなど定番音源のベロシティーカーブがプリセット。
・ベロシティーセンサーが2センサーと3センサーを切替可能。
・USBバス駆動対応。
・余計なものを一切省いた演奏に特化したシンプルな構成。

【短所】
・カタログで見ると高級感が有るデザインだが実際にはチープな作り。
特にスーパーの棚に設置するPOPのような譜面台と鉄板を鈑金加工して取って付けたようなサイドパネルの処理。
・殆ど更新されないエディターソフトウェア。
・エディターソフトウェアのマニュアルが英語のみ。
・ベロシティーセンサーが2センサーと3センサーの切替が可能であるのは良いが現在の設定が2センサーで動作しているのか、3センサーで動作しているのか表示が無い。
同音連打して反応が良い方が3センサーで動作していると判断するしかない。

kawai vpc1 music stand
スーパーの棚に設置するPOPのようなチープな譜面台
kawai vpc1 side panel
鉄板を鈑金加工して取って付けたようなサイドパネル
Yamaha s80 side panel
YAMAHA S80 の高級感ある木目サイドパネル

まとめ

少し外観にチープな部分でコストを掛けていない部分も目立つが、大メーカーのKAWAIがあまり需要の無さそうなニッチな製品を市場に出してくれただけでも素晴らしい。

グランドピアノの鍵盤タッチにこだわりがあって、音を出すにはPCを起動する必要があり尚且つ別途音源も必要であり、その音源がスタンドアローンで使用できない仕様の場合はDAWの起動まで必要になるがそれでも魅力的な木製鍵盤のタッチと無駄を排した思い切ったコンセプト。

使用目的に嵌ればとても満足できる製品です。