音楽制作、DTMに欠かせないピアノ音源。
世界中のメーカーからとても多くの音源がリリースされています。
今回は私の所有するピアノ音源を聴き比べてみました。
(※ PIANO Premier ”at first light”に関しては所有していませんのでデモ音源をダウンロードしています。)
ピアノ音源録音環境
24bit/96kHz
ピアノ音源標準プリセットのホール系を選択し、最終の音量を揃えて録音。
目次
Logic Pro X 付属 EXS24サンプラーSteinway & Bösendorfer
Logic Pro X 標準付属サンプラー EXS24 ピアノ音色 Steinway
音色を選択すると自動的にBUS1、BUS2が配置されFXが挿入される。
DAW標準付属としてはそれほど悪くない音。
SteinwayはそれなりにSteinwayっぽさは出ているがBösendorferはあまり特徴が出ていない感じ。
やはり有償のピアノ専用音源と聴き比べると若干音の密度が薄くてペラペラに感じてしまうのは致し方ない。
DAW標準付属のため無償で使用出来る。
POPS、ROCKなどの伴奏系にお勧め。
Native Instruments ALICIA’S KEYS
Alicia Keysが使用しているYamaha C3 Neoグランド・ピアノからサンプリングしたピアノ音源。
比較的に安価であるのにオールジャンルで使える守備範囲の広さと美しい音質でかなりの人気音源。
メローで暖かみのあるサウンド。
共鳴と余韻が美しい。
実際に演奏する時にNative Instruments KONTAKT音源のわりにはダンパーペダルを踏んだ際の音切れ症状が余り無い。
オールジャンルで使えるが、特にバラードにお勧め。
別途KONTAKT PLAYERバージョン5以降、またはKONTAKT バージョン5以降が必要。
容量:6.9 GB
ベロシティレイヤー:12
バラード系にALICIA’S KEYS (Yamaha C3 Neo)を使用して演奏しました。
Roland Integra-7
近年はソフト音源に押されてあまり目立たない存在のハード音源モジュール。
・使いたい音色を素早く探す事が出来て即戦力で使える音が豊富。
・ブラッシュ・アップしたSuperNATURALサウンドを搭載。
・音楽制作の定番音源XV-5080に加え、SRXシリーズをすべて収録。
・高品位なGM2+PCM音色も備え、合計で6,000以上の音色を搭載。
・新開発のMFXは16パートすべてに対して同時使用が可能。
・16チャンネルマルチチャンバー
SN-A(スーパーナチュラル・アコースティック) PIANO 0001番 Full Grand1
だいたいプリセットの1番目に入っている音源はそのメーカーの顔ともなる自信作を入れて来る。
特にジャンルを問わずにオールマイティーに使える音源。
PCM PIANO 0002番 Bright Piano
波形をPiano Atkに変更してJD-800のプリセット53番のピアノ風の音色にしています。
リアルな生ピアノさは有りませんがオケに入れば存在感が有ってJAZZでも良い感じですね。
PCM音源は敢えて生ピアノっぽさを出したく無い時に使用しています。
少し硬めの音質が良い感じ。
この曲のピアノ&シンセパートはシンセパッド以外は全てRoland Integra-7で演奏しています。 (シンセパッドのみNative Instruments KONTAKT音源を使用)
Native Instruments THE GRANDEUR
サンプル元はHamburg SteinwayDのヴィンテージです。
Steinway系の音源としては無難な音源。
Native Instrumentsのピアノ音源全般的に言えるのだが演奏時にどうもダンパーペダルを踏んでいても切れる時が多い。
打ち込みに使用するユーザーには問題は無いが演奏するにはストレスを感じる。
オールジャンルで使える音源。
Steinway系の音源は一番多く市場に出ているのでSteinway系の音が欲しい場合に、敢えてこの音源を購入する必要性はあまり感じない。
別途KONTAKT PLAYERバージョン5以降、またはKONTAKT バージョン5以降が必要。
容量:5.26GB (圧縮), 13.7GB (非圧縮)
ベロシティレイヤー:18
Native Instruments THE MAVERICK
THE MAVERICKは、1905年にプロイセン王国王子のために製作された、非凡な音を誇るコンサート・グランドをサンプリング。
独特な枯れた音質なので使い所は限られる。
Steinway系の音源は市場に溢れているので個性を出したければこの音源は良い。
JAZZ、BLUESにお勧め。
別途KONTAKT PLAYERバージョン5以降、またはKONTAKT バージョン5以降が必要。
容量:5.22GB (圧縮), 13.6GB (非圧縮)
ベロシティレイヤー:18
Native Instruments THE GIANT
元となるインストゥルメントはthe Klavins Piano Model 370iです。「i」は「integrated(統合された)」の略語を表しており、巨大なアップライト・ピアノが部屋の壁に取り付けられています。これにより効果的に共鳴板が確保されます。高さは3メートル以上にも及び、重量は20トン以上です。Klavins Piano Model 370iでは、9フィートのコンサート・グランド・ピアノの約2倍の大きさの共鳴板があります。
見た目から「これは一体どんな音がするんだ?!」と思わざるを得ませんが、至って普通の音でした。
シネマティック系にお勧め。
別途KONTAKT PLAYERバージョン5以降、またはKONTAKT バージョン5以降が必要。
容量:3.9 GB
Native Instruments THE GENTLEMAN
THE GENTLEMANは1908年製のアップライトピアノをベースにした音源です。
無垢のリアリズムから色褪せた感じの雰囲気まで多様なサウンドをカバーします。
JAZZ、BLUESにお勧め。
別途KONTAKT PLAYERバージョン5以降、またはKONTAKT バージョン5以降が必要。
容量:3,65GB (圧縮), 9,8GB (非圧縮)
ベロシティレイヤー:16
PIANO Premier “at first light”
STEINWAYを96kHz/24bitでサンプリングしたスーパーハイレゾ・ピアノ音源。
ハーモニック・レゾナンスに一切モデリングを使わずに実際の録音により再現。
鍵盤を押した状態でサステイン・ペダルを踏む事でハーモニック・レゾナンスが付加されます。レゾナンス・レベルの調整も可能です。サステイン・ペダルを踏んだ状態で発生したNote Onは、実際にペダルを踏んで打鍵したサンプル・レイヤーが再生されます。
収録マイクを3種類から選択可能。
Crystal:Neumann U49
Vintage (mono):Sony C37
Stage:SCHOEPS M221
オールジャンルで使える音源。
Native Instruments 有料版Kontakt(version 5.7以上)専用。無料のKontakt Playerでは動作しません。
容量:約 10GB
ベロシティレイヤー:12
Ivory II Grand Pianos
世界最高クラスのグランドピアノ3台を収録。
Ivory II Grand Pianos IIには、以下の3台のグランドピアノが収録されています
Bösendorfer 290 Imperial Grand
German Steinway D 9′ Concert Grand
Yamaha C7 Grand
従来は別途iLokが必要だったのですが、Paceライセンスマネージャーによるハードディスク・オーサライズにも対応したので導入し易くなりました。
Ivory IIの中でも初期の音源なのでベロシティーレイヤーは最新の24と比べると少ないですが必要にして十分。
有名な3機種のピアノが収録されているので先ずはIvory II Grand Pianosを最初の一本として購入すると良いでしょう。
ピアノ音源の定番、実際に演奏すると挙動が生ピアノと違和感なく弾ける。
DTM用途にも素晴らしい出来だが特に演奏する人にお勧めしたい。
HDD:最低7200 RPM以上
容量:約 78GB
ベロシティレイヤー:18
Ivory II Italian Grand
なかなか珍しいFAZIOLIを収録した音源。
FAZIOLI独特の柔らかく優しい音質。
クラシック系だけではなくPOPSにも合います。
HDD:最低7200 RPM以上
容量:約 28GB
ベロシティレイヤー:18
Ivory II Studio Grands
Ivory II Studio Grandsには、以下の2台のグランドピアノが収録されています
Steinway Model B
Bösendorfer 225
Ivory II Grand Pianosの収録ピアノがフルコンサート・サイズなのと比べて同じSteinwayやBösendorferでも一回り小さいスタジオ・サイズのピアノが収録されている。
ベロシティーレイヤーがシリーズ最大となる24ベロシティ・レベル、各モデル50GB以上、トータルで112GBのライブラリを収録しています。
ベロシティーレイヤーが24と増えたためにより一層気持ち良く演奏する事が可能。
HDD:最低7200 RPM以上
容量:約 112GB
ベロシティレイヤー:24
まとめ
今回はご紹介をしておりませんが、大容量サンプリング音源とは違う方向性のPianoteqなどの物理モデリングのピアノ音源もとても人気が有ります。
サンプリング音源はどうしても品質を上げるために大容量化が進んでストレージの容量を圧迫してしまいます。
最新版のPianoteqで約40MBと極めて小容量です。
現在ではまだ大容量サンプリング音源の方に実際のピアノのリアルな音質に優位性があるのですが物理モデリングの技術の進化はとても早く、数年後には大容量サンプリング音源にリアルさでも引けを取らなくなるかもしれません。